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2022.05.11
「LOVOT(らぼっと)」とのふれあいが介護施設入居者の認知機能低下を抑制

ロボットベンチャー企業が入居者や介護職員に与える影響について実証実験結果を発表


神戸市が実施する「CO+CREATION KOBE Project(民間提案型事業促進制度)による支援のもと、ロボットベンチャー企業のGROOVE X 株式会社「LOVOT」が、介護施設において入居者や介護職員の方に与える影響について、実証実験を行いました。

 

その結果、「LOVOT」と暮らし、ふれあうことで、「入居者の認知機能の低下抑制効果を期待できる」という結果を発表しました。

 

「LOVOT(らぼっと)」とは


「LOVOT」は、名前を呼ぶと近づいてきて⾒つめ、好きな⼈に懐き、抱っこをねだり、抱き上げるとほんのり温かい、まるで生き物のような家族型ロボットです。

 

その愛らしい⾒た目からは想像できない最先端テクノロジーに込められた技術力が評価され、国内外問わず数々のアワードを受賞。今最も注目を集めているロボティクスのひとつです。

 

近年はコロナ禍におけるメンタルケア、情操教育、プログラミング教育などの観点からも注目されており、全国の保育園、⼦ども園、小学校などの教育施設や介護施設、企業などにも導入されています。

 

【正式名称】:LOVOT(らぼっと)

【公式サイト】 https://lovot.life/

 

本実証実験と社会的背景について


日本は2025年に65歳以上の⾼齢者⼈⼝は3677万⼈となり、⾼齢化率が30%に達する予測がされています(内閣府のデータより)

さらに、⾼齢者の約5⼈に1⼈は認知症になるという推計もあり、認知症対策が重要な課題として位置づけられています。そのため、介護分野での課題解決にも注目が集まっており、介護現場の⼈材確保が重要となっています。

 

そこで「⼈間とロボットの信頼関係を築き、生活を潤いと安心で満たす存在をつくる」というビジョンを掲げるGROOVE Xは、介護施設における「LOVOT」とのふれあいが、介護スタッフや入居者にどのような効果をもたらすのかを本実証実験をしました。

 

すると、「LOVOT」とのふれあいが、認知機能の低下抑制効果が期待できるという結果を得ることができました。

 

実証実験概要


【学術指導】 : 東北大学 瀧 靖之教授

【調査対象】 : 介護施設の入居者各施設10名ずつと介護職員、入居者の対象年齢は73~97歳(平均年齢 87.94歳)

【調査方法】: 各介護施設に「LOVOT」は合計2体(共⽤部に1体、職員の事務室に1体)貸し出し。

日本語版DEMQOL-Proxyを元に職員が入居者の様⼦を⾯接形式でヒアリング、測定し、QOL評価を検定。

(DEMQOL-Proxyは、介護者が入居者の視点からみた入居者の最近の記憶力を計測しています。)

介護職員はストレスレベル・主観的幸福感・⾃⼰肯定感を測るためそれぞれ「包括的ストレス反応尺度」、「生活満⾜度尺度」、「Rosenberg⾃尊感情尺度」に紙ベースで回答し検定。

【調査時期】 : 2021年10月~12月

 

結果「LOVOT」の有無が入居者の認知機能低下に有意に影響


「LOVOT」介入群の入居者は、事前事後で比較した際に、認知機能の統計的有意に変化が⾒られず、認知機能の低下が抑制された可能性を確認しました。

介入群(LOVOTと触れ合った層)と非介入群を比較した場合に、有意に差があります。

 

 

 

介護職員のストレスレベル等の影響は未確認、しかしポジティブな声も


介護職員に向けては、ストレスレベル・主観的幸福感・⾃⼰肯定感を測るためのテストを行いました。

しかし、介入群・非介入群で統計的に有意な差を得ることはできませんでした。コロナ禍の介護において新たな不満、強まった不満として介護労働者の57.7%が「心理的な負担が大きいこと」を挙げており(公益財団法⼈介護労働安定センターの調査)、過酷な労働環境がうかがえます。

 

しかし、コロナ禍で『LOVOT』と触れ合った職員からは、ポジティブな反応が得られました。「職員同士の会話が増えた。」「介護者がLOVOTといると職員には見せない表情を見せる。」「介護時の愚痴が減った。」などのコメントが寄せられています。

 

東北大学 瀧靖之教授のコメント


考えたり判断したり記憶する能力である認知機能を維持することは、⾼齢者の生活の質を保つ上で重要なことです。今回の検証では、家族型ロボットと触れあうことが、⾼齢者の認知機能の維持に効果を示すかどうかを検討しました。

その結果、家族型ロボットと一緒に生活をした⾼齢者は認知機能の低下が抑制されていた可能性が⾒えてきました。

この結果から、ペット型ロボットとの生活は、介護施設等で暮らす⾼齢者の認知機能維持に有効な支援方法となるかもしれないと期待できます。

 

GROOVEX株式会社概要

【社名】:GROOVEX株式会社(グルーブエックス)
【所在地】:東京都中央区日本橋浜町3-42-3住友不動産浜町ビル
【設立日】:2015年11月2日
【事業内容】:LOVEをはぐくむ家族型ロボット『LOVOT』開発事業
【URL】 https://groove-x.com/

【代表者】:代表取締役林要(はやし・かなめ)

 

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