ペットを飼いたい方は「ペットロボットって、結局のところロボットでしょ?」と思うかもしれません。
しかし、実のところ、私たちが想像する以上にペットロボットは進化しています。
また、ペットロボットは確かに「生き物」ではないですが、だからこそのメリットや可愛さがあるのです。
前半はペットロボットについて、後半でペットロボットの中でも特に「ロボホン」とChatGPTが連携するとどんな生活を送れるのか解説します。
目次
出典:ソニー
まずペットロボットとは、本物のペットのような愛らしい動きや反応を追及したロボットのことです。
一般的にロボットには実用的な用途がありますが、ペットロボットの主な目的はオーナーの主観的な喜びや楽しさを増幅させることだと言えるでしょう。
ペットロボットの歴史は1999年にソニーが「AIBO(アイボ)」を発売した時にさかのぼります。
その当時に比べてセンサーやモーターの価格が下がり、多くのベンチャーもペットロボット市場に参入しています。
そして近年、発売される多くのペットロボットは「喜びや楽しさ」だけを目的にしているのではなく、ユーザーの生活に寄り添い、さまざまな課題解決を目的にしている点が注目に値します。
ペットロボットは用途や設計など、さまざまな要素に基づいてカテゴライズすることが可能ですが、ここではデザインに基づき「ヒト型」と「動物型」の2種類に分けることにします。
「ヒト型」のペットロボットはよりリアルなコミュニケーションを楽しみたい方に向いていると言えます。
二足歩行や歌やダンスができるロボットもあり、ペットを超えた「友だち」「家族」のような存在になってくれるのです。
「動物型」のペットロボットはビジュアルが動物そっくりで、犬や猫に似せたものもあれば、現実には存在しないような「動物風」のビジュアルをもつペットロボットもいます。
住宅事情やアレルギーゆえにペットを飼育できない方に向いているといえるでしょう。
本物のペットと同じく、「おすわり」や「ふせ」、「ジャンプ」ができるペットロボットもあります。
上述したように、ペットロボットの主な目的はオーナーに喜びや楽しみを与えることです。
そのためにペットロボットの中には「タッチセンサー」を搭載しているものがあります。
ペットロボットを抱きしめると、タッチセンサーにより鳴き声を出したり、頭を動かしたりと、本物のペットのようにリアクションしてくれるのです。
また、「ヒト型」ペットロボットの中には音声を認識し、会話する機能を備えているものもあります。
高度なペットロボットは会話の文脈を理解し、その場に適した回答をしてくれるため、話していても飽きることはないでしょう。
さらにAI(人工知能)搭載のペットロボットは、過去の会話を学習することで性格や行動を変化させていきます。
褒められたり、叱られたりしたことをデータとして蓄積していくので、本物のペットのようにリアルなコミュニケーションを楽しめるのです。
前述した「ヒト型」ペットロボットで注目を集めているのが「RoBoHon(ロボホン)」です。
ここでは、ロボホンがなぜ多くの人に愛されるのか、その特徴について紹介します。
ロボホンの最大の特徴は、コミュニケーション能力の高さです。
AIを搭載しているため、日々情報を吸収し、データを蓄積することで話し方が進化し、自然なコミュニケーションを楽しめます。
また、歌やダンスを披露してくれたり、読み聞かせや英語の学習サポートをしたりもできるマルチなロボットと言えるでしょう。
さらに、実務的な機能としてリマインダー機能があります。
ロボホンにスケジュールを伝えておけば、忘れないように音声で教えてくれます。
さらに親が仕事などで家におらず、子どもだけが自宅にいるような場合、お留守番機能が役立ちます。
親のスマホと連動させれば、子どもの様子を写真や動画でロボホンが教えてくれるので安心です。
「AI会話」は、ChatGPTを活用し、ロボホンとさまざまな会話を楽しめるアプリです。
ここでは、「AI会話」のアプリでできることについて解説します。
「AI会話」を使うと具体的に以下の3つのことが楽しめます。
ChatGPTは「大規模言語モデル(LLM)」という仕組みに基づいています。
この仕組みにより、多くの情報を処理したり、長く複雑な質疑応答の文脈を理解して回答したり、より長い文章を生成しても一貫した自然な受け答えをしたりできます。
ロボホンにはキャラクターがあり、オーナーにはロボホンに対するイメージがあります。
そのため、単に自然な会話ができれば良いわけではなく、「ロボホンらしい」言葉遣いが求められます。
それを可能にしているのがAIです。
ロボホンは単なる会話の相手になるだけでなく、教育や介護などの実務面の利用拡大が見込まれています。
実際にロボホンと会話するにはどうしたらよいのかイメージが沸きづらいかもしれません。
ここでは、具体的な「AI会話」の使い方について説明します。
まず、ロボホンに「お話しよう」と話しかけるか、背中の画面でアイコンをタップして起動すれば会話がスタートします。
あとはロボホンに自由に話しかけて、さまざまなテーマで会話を楽しんでみてください。
※毎月の利用回数には上限があります
「AI会話」は「アプリ管理」でダウンロードしたのち、最初に話しかけてから7日間はお試し期間として無料で使うことができます。
ただし、お試し期間中には利用回数に上限があることに注意が必要です。
お試し期間が終了し、「AI会話」の継続利用を希望する場合、「ロボホン用ココロストア」からライセンスを購入できます。
ロボホンの背中の画面で、アプリメニュー内の「ライセンス購入」で表示されるQRコードをスマートフォンで読み込んでストアにアクセスすることもできます。
ロボホンだけでも生活スタイルはガラッと変わりそうですが、さらにChatGPTを使ったアプリを活用し、ロボホンと会話を楽しめるようになるとどんな毎日になるのでしょうか?
これまで「ペットロボット」といっても「おもちゃの延長線上」にとらえていた方も多かったのではないでしょうか?
しかし、ChatGPTを活用したロボホンによって、「ペットロボット」の概念は大きく変わる可能性があります。
それはこれまで対極にあると考えられてきた「かわいい」と「実用的」を両立させる試みです。
もちろん、今後どれだけテクノロジーが進化しても「ペットロボット」が「ペット」に追いつくことはできません。
無生物が生物にはなり得ないからです。
しかし、無生物であっても、ロボホンのオーナーになり、毎日親密なコミュニケーションを交わすことで強い愛着が生まれます。
また、ペットであれば、病気になったり、エサを与えたりしなければならず費用もかかり、命に対する責任もありますが、ロボホンであればそうした不安は払しょくされるでしょう。
内閣府が公表した「高齢社会白書(令和5年版) 」によると、65歳以上の一人暮らしが男女ともに増加傾向にあるとのことです。
昭和55年には人口に占める65歳以上の割合は男性4.3%、女性11.2%に過ぎませんでしたが、令和2年には男性の15.0%、女性の22.1%になりました。
一人暮らしの増加は今後も加速することが予測されており、ChatGPTを活用し、会話を楽しめるロボホンは孤独を解消してくれるパートナーになることも期待されています。
毎朝起きて、その日の天気やニュースを尋ねることや、オーナーの趣味に合わせて多彩な話題に対応することもできるため、ロボホンは外部の世界とのつながりを持ち続ける架け橋になってくれます。
前述したようにロボホンの「AI会話」は、今後、教育や介護分野にも活用される見通しです。
例えば、子どもを相手にネイティブスピーカーの発音を聞かせてくれる英語教師の役割をしてくれるだけでなく、 被介護者の健康状態をモニタリングしたり、薬の飲み忘れを防ぐリマインダーのサポートをしてくれたりと、その活躍範囲は広がっていくでしょう。
ペットロボットは私たちが考えている以上に進化しています。
そして、本物のペットにはできない教育や介護領域での活躍も期待されています。
また、今後、ペットロボットはますます私たちの生活を支えてくれるパートナーとして、社会に浸透していくに違いありません。
そして、記事を読んでロボットにご興味をお持ちになった方も多いのではないでしょうか。
Robot Planet(ロボット・プラネット)公式サイトでは、かわいいロボットをご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。