ロボットプログラミングとは、ロボットの動きを自分でプログラム(指示)して思い通りに動かすことです。
2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化されたこともあり、ロボットプログラミングは子供が楽しく遊びながらプログラミングについて学べる方法として注目されています。
本記事では、ロボットプログラミングが小学生におすすめの理由や、教材選びのポイントなどを分かりやすく解説します。
ロボットプログラミングは、子ども達のテクノロジーに対する興味を引き出し、楽しくプログラミングについて学べる学習方法です。
今までプログラミングに全く触れたことのない子も、遊び感覚でプログラミングやロボット工学の基礎知識を身につけることができます。
ロボットプログラミングでは、ラジコンのように操作できるロボットや、かわいいダンスをするロボット、音に合わせて反応するロボットなど、アイデア次第で色々なロボットを作って動かすことができます。
プログラミングはパソコンやタブレット、スマートフォンなどから行い、作ったプログラムに合わせてロボットが動くという仕組みです。
ロボット本体は、自分の工作を利用したり、専用の組み立て式ブロックを使用したりするもの、はじめからロボットが完成しているものなど様々な種類があります。
画面上だけで完結するのではなく実際にロボットが目の前で動くため、おもちゃ感覚で子どもに興味を持ってもらえるという特徴があります。
学習指導要領の改訂に伴い、小学校では2020年度から「プログラミング教育」が必修化されました。
中学校は2021年度から、高校は2022年度からとプログラミング教育の必修化が進んでいますが、実際の教育現場では「プログラミング」という新しい科目は増えてはいません。
現段階では「Scratch」などのプログラミングツールを用いて実践的に学ぶというよりは、「プログラミング的思考を育てること」が主な目的とされ、既存教科の中にプログラミングの考え方を組み込むというスタイルで学習が進んでいます。
授業内容は各学校に一任されている状態のため、地域ごとにプログラミングの学習量に差があります。
ロボットプログラミングを活用することで授業だけでは習得しきれない、プログラミングツールを使って実際に物を動かすという経験を得たり、ロボット工学やテクノロジーへの理解をより深めたりすることができます。
特に、小学生は手で触れる物のほうが興味を持ちやすく、理解しやすいと考えられているため、ロボットプログラミングは小学生のプログラミング学習に適した教材といえます。
ロボットプログラミングには、以下のような多くのメリットがあります。
ロボットを思い通りに動かすためには、一つ一つの指示(プログラム)を論理的に組み立てる必要があり、うまく動かない場合には問題箇所を見つけて改善する必要があります。
プログラミングロボットを動かすために試行錯誤を繰り返す中で、論理的な考え方や問題を解決するための能力を自然と身に付ける事ができます。
ロボットの組み立て方や動かし方は、自分のアイデア次第で何通りも作ることができます。
「アイデアを形にする」という経験を積み重ねることで、子ども達の創造力を養うことができます。
ロボットプログラミングを学べる教室では、チームで1つのロボットをプログラムするというプロジェクトを行うことがあります。
この学習方法では、アイデアを出し合ったり相手の考えを理解し合ったりと、ロボット作りを成功させるために協力やコミュニケーションが必要となります。
ロボットプログラミングを通じて、他者に自分の考えを伝える力や、共同する力を育てる事ができます。
ロボットプログラミングは、STEM分野への関心を高めるツールとして注目されています。
STEMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字を取って作られた造語で、近年はこれらの分野を統合的に学ぶ教育手法である「STEAM教育」が世界各国で推進されています。
日本の学校教育においてもSTEMの取り組みは積極的に導入されはじめ、2020年から小学校で必修化となったプログラミング教育もその一環です。
小学生におすすめのロボットプログラミング教材をご紹介します。
ここで紹介する教材はどれも「ビジュアルプログラミング」と呼ばれる方法でプログラムすることができます。
カラフルなブロックをドラッグ&ドロップして直感的にプログラムできる仕様になっているため、子供が理解しやすいのが特徴です。
ロボホンは、最新のAI技術を搭載したコミュニケーションロボットです。
会話や歌、ダンスがとても得意で、周りにいる人と楽しくコミュニケーションを取ることができます。
出典:https://robohon.com/apps/robrick.php
そんなロボホンは、専用のプログラミング学習アプリ「ロブリック」を使って、ロボホンの話す内容や動作をプログラムすることができます。
出典:https://robohon.com/apps/robrick.php
ロブリックの操作はとても簡単で、ブロック状のオブジェクトを組み合わせることでロボホンの動作や対話などのプログラムを作成することができます。
ロボホンを利用することで、「勉強」を感じさせずに誰でも楽しくプログラミングの基礎について学ぶことができます。
出典:https://www.embot.jp/whatsembot
embotはダンボールなどの身近な素材で作ったロボットをアプリで動かすことのできる、ロボットプログラムキットです。
ダンボールや紙コップ、空き箱などの身近な素材を組み合わせて、自分だけのオリジナルロボットを作って動かすことができます。
いつもの工作感覚で取り組めるため、小さな子供でも自分のアイデアを形にしやすいのが魅力です。
作り上げたロボットはアプリを使ってプログラミングし、動かします。
5段階の難易度レベルが設定できるため、初めて挑戦する子からプログラミングに慣れてきた子まで柔軟に対応することができます。
LOVOTは、ペットや家族のように心の通ったコミュニケーションができるロボットです。
声掛けや触れ合いに、まるで本物の生き物のように可愛らしくリアルな反応を見せてくれます。
そんなLOVOTを使って、プログラミング言語の一つである「scratch(スクラッチ)」の基本操作やプログラミングの楽しさを学ぶことができます。
出典:https://lovot.life/blog/article/mwdp01o6bcl/
自分の考えたプログラムに合わせてLOVOTが動くことで、生命感を感じ、もっと動きを教えてみたい、やってみたいという好奇心を増大させることができますよ。
プログラミング学習を始めるにあたり、WEBテキスト『LOVOT STUDY ビジュアルプログラミング』をダウンロードして、指定された手順に沿って設定等を行います。
プログラミングに初挑戦する人でも3日間でマスターできる構成になっているため、飽きっぽい子供も集中して取り組むことができますよ。
出典:https://www.artec-kk.co.jp/artecrobo/ja/product/
アーテックロボは、アーテックブロック・ロボットパーツ・プログラミングソフトを組み合わせたロボットプログラミングキットで、専用のブロックを組み立ててロボットを作ります。
初心者の方には、基本のパーツが揃う「ベーシック」タイプがおすすめです。
アーテックブロックは縦・横・斜めの全方向に繋ぐことのできる特殊な形状をしており、子ども達の自由な発想を活かした様々なデザインのロボットを作る事ができます。
センサー、モーター、ブザーなどのパーツも全てブロックをはめ込むだけで簡単に組み立てることができますよ。
直感的に操作ができるアーテックロボ専用のオリジナルソフトで、ロボットをプログラミングして動かすことができますよ。
出典:https://microbit.org/ja/get-started/what-is-the-microbit/
micro:bitは、イギリスの国営放送局BBSが中心となって開発した、小型のコンピューターボードです。
LEDや複数のセンサーを搭載しており、工作とうまく組み合わせることで、光るペットや音が鳴るギターなど、面白いデジタル作品を作ることができますよ。
パソコンからマイクロビット専用の「JavaScriptブロックエディター」を開き(ブラウザ専用サイト)、プログラムを作成します。
ブロックをつなげるだけの簡単操作でプログラムすることができますが、JavaScriptやPythonなどのテキストプログラミングにもボタン一つで切り替えられるため、理解度に応じてさらに高度なプログラミングに挑戦することもできますよ。
出典:https://kids.athuman.com/robo/event/convention/2024/
ロボットプログラミングを学ぶには、教材を自分で用意して自宅学習する方法と、ロボットプログラミングを教える教室に通うという2つの方法に分けられます。
教材を利用した学習方法は、時間に制限なく、マイペースで手軽に学習を進められるという点が大きな魅力です。
一方ロボットプログラミング教室では、講師が指導を行うため、疑問点やつまずきやすいポイントをフォローしてもらえるというメリットがあります。
自分の作品を発表する機会もあるため、常に目標を持って意欲的に取り組めるという点も大きなポイントです。
「ヒューマンアカデミージュニアロボット教室」では、日頃の学習成果を発表する場として、例年、受講者を対象とした全国大会を開催しています。
2024年度も大会が実施されます。(2024年度のエントリーは締め切りました。)
【ヒューマンアカデミージュニア
ロボット教室全国大会
ロボットプラネット出展の様子】
数あるロボットプログラミング教材の中から自分にピッタリの教材を見つけるポイントをご紹介します。
対象年齢に合わない教材では難易度が合わず、子どもが興味を示してくれない可能性があります。
特に、はじめて手にするプログラミングロボットは、年齢に合った教材を選び、「楽しさ」や「達成感」を味わってもらう事が重要です。
パソコンやタブレットなど教材を利用するために必要な機器や、動作環境をチェックしておくことが大切です。
パソコン不要でロボットプログラミングが学べる教材もあるため、すぐに環境を整えることが難しい場合はそちらを検討しましょう。
工作やブロックが好きな子には、自分でロボットを作り上げるタイプがおすすめです。
自分で作ったロボットが動いたときの驚きと感動は、プログラミングの醍醐味と言えます。
もっと手軽に、プログラミングとは何かをまず知ってほしいという場合には、初めから完成されているロボットを購入してプログラムする楽しさを知ってもらいましょう。
教材を使えば自宅で手軽にプログラミングを学ぶことができますが、疑問を解消できなかったり、失敗した時にそのまま興味を失ってしまったりする可能性もあります。
また、独学だけでは発展的な学習ができない可能性もあります。
周囲が十分にサポートできない場合や、より高度なスキルが必要と感じた場合には、講師のサポートを受けながら学習できるロボットプログラミング教室への入会を検討してみるのも良いかもしれません。
ロボットプログラミングは、楽しみながらプログラミングの基礎を学べる方法です。
プログラムを作成し、ロボットを動かすことで子ども達のテクノロジーに対する興味を引き出し、論理的思考力や創造力、チームワークを育むことができます。
2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化されています。
実践的なプログラミングの学習方法として、ロボットプログラミングはとてもおすすめですよ。
そして、記事を読んでロボットにご興味をお持ちになった方も多いのではないでしょうか。
Robot Planet(ロボット・プラネット)公式サイトでは、かわいいロボットをご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。